第4節で横浜がQ4開始時点で16点差あったリードをひっくり返し大逆転するというドラマがありました。いまハイライト動画を観ても横浜ブースターの興奮と、そして滋賀ブースターの落胆が伝わってくるようです。このような大逆転はスポーツの醍醐味のひとつですよね。
特にバスケットの場合は一度のゴールで2-3点取ることができるので、いわゆるブザービーターにおける大大大逆転までありえることは大きな魅力ではないかと思います。
横浜ビー・コルセアーズvs滋賀レイクスターズ|B.LEAGUE第4節 GAME2Highlights|10.21.2018 プロバスケ (Bリーグ)
さてこのときに横浜は16点をひとつのクォーターでひっくり返した訳ですが、どれくらいまでの点差なら逆転は可能なのでしょうか?
もちろん「あきらめたらそこで試合終了だよ」のごとく最後まで諦めないことからしかドラマは生まれませんが、一方で長いリーグ戦を勝ち抜くためには、ときに目の前の勝敗の優先順位を下げることも重要です。
この記事では昨シーズンのレギュラーシーズンの全試合のデータを元に、勝利したチームが各Qの終了時にどのくらいの得失点差にあったのかを見てみたいと思います。
まずは1Q終了時を見てみましょう。
やはりまだ1Qが終わったばかりなので、さすがに得失点差0が真ん中ではないですが、そんなに分布が右側にずれていないません。1Q終了時に少しビハインドだからってまだまだ勝利は掴めそうです。
でも実は計算をしてみると得失点差0(図の赤線)より左側の部分は26.1%ほどです。逆に言うと最終的に勝ったチームの73.9%は1Q終了時にリードしていたということになります。簡単には因果関係は結論できませんが、1Qが勝敗に重要なクォーターであることは疑いはないと思います。
また分布の左端を見てみると、1Q終了時に16点以上離されていたのに逆転した例はなかったということが分かります。実は今日アルバルク東京と琉球ゴールデンキングスの試合があったのですが、琉球が1Q終了時点で16点の差をつけてリードし、アルバルク東京の猛反撃に期待したのですが結局そのまま追いつくことができませんでした。
続いて2Q終了時です。
まず分布がちょっと右側に伸びたことが分かると思います。クォーターがひとつ進むに連れて少しずつ勝利が決まりつつあるように見えます。そしてここで面白いのが左端です。なんと2Q終了時に20点差をつけられていたのにも関わらず逆転した例があったのが分かります。
これは先ほどの1Qのデータと矛盾するようですが、1Q終了時点では15点以下の点差で負けており、2Q終了時点でその差は20点まで離れたが、後半に一気に逆転したということです。諦めなければなんとなるものですね。
ちなみにその逆転はこの試合で起こっています。
三遠ネオフェニックスvs名古屋ダイヤモンドドルフィンズ|B.LEAGUE第18節 GAME2Highlights|02.04.2017 プロバスケ (Bリーグ)
ちなみに以前のブログでも別の試合で名古屋ダイヤモンドドルフィンズの大逆転について取り上げました。逆転に強みのある、諦めない素晴らしいチームだと思います。
最後に3Q終了時の得失点差を見てみましょう。
さらに分布がぐっと右側に寄りましたね。そして左端を見ると、なんと4Q開始時点で18点もの差があったのに逆転したゲームが見つかりました。それはこのゲームです。
富山グラウジーズvsレバンガ北海道|B.LEAGUE第1節 GAME2Highlights|10.01.2017 プロバスケ (Bリーグ)
とんでもない逆転劇ですよね。4Qの得点が14-34で北海道が一気に追いついたようです。分布を見ると上述の横浜の逆転も16点差をひっくり返したのはかなり珍しいものだったことが分かります。
最後に3つの分布を重ねてみてみましょう。
繰り返しになりますが、クォーターが進むごとにどんどんと分布が右にずれていっているのが分かると思います。
本題に戻ると、あくまで2017-18シーズンのデータだけを見てということですが、各クォーター終了時に21点以上離されていなければまだイケるとざっくり理解していいと思います。もちろん色々な状況には左右されますが、それくらいの点差までであれば、安西先生の言葉を信じて頑張ってみてもいいのではないでしょうか。