オフェンスリバウンドを取ると、解説者の中川聴乃さんが嬉しそうに「ナイスリバンッ!!」と言ってくれます。あれ、最高です言われてみたいです。
という冗談はさておき、前回の記事に引き続いてオフェンスリバウンドの話題です。Bリーグの今季ここまでの全オフェンスリバウンド7,634本について、その直後にどんなプレーが生まれているのかを調べてみました。
「リバウンドを制する者はゲームを制する」、よく知られた言葉ですが、現代では無理にオフェンスリバウンドに行くのではなく、ディフェンスの戻りを優先した方が良い効果が出やすいと聞いたこともあります。
下がその7,634本の直後にどうなったのかのデータです。BリーグのPlay by Playにはポゼッションの変わらないアウトオブバウンズの記録は残っていないので、「直後」と言っても一回ボールがコートの外に出てプレーが止まっている場合もあります。
ついでに期待値も求めてみたのですが、フリースローで得られる点数は、バスケットカウントの場合などは無視して、適当に確率75%の2回分と設定してあります。また、当然再びオフェンスリバウンドを取得する可能性もある訳ですが、単純化の為にそれも無視しています。
直後のプレー | 回数 | 起きている割合 | 得点 | 期待値 |
---|---|---|---|---|
2点 成功 ペイント内 | 2262 | 29.6% | 2 | 0.592611999 |
2点 失敗 ペイント内 | 1537 | 20.1% | 0 | 0 |
3点 失敗 | 903 | 11.8% | 0 | 0 |
ファウル取得(FTなし) | 674 | 8.8% | 0 | 0 |
ファウル取得(FTあり) | 577 | 7.6% | 1.5 | 0.113374378 |
ターンオーバー | 541 | 7.1% | 0 | 0 |
3点 成功 | 472 | 6.2% | 3 | 0.185485984 |
2点 失敗 ペイント外 | 395 | 5.2% | 0 | 0 |
2点 成功 ペイント外 | 204 | 2.7% | 0 | 0 |
その他 | 40 | 0.5% | 0 | 0 |
オフェンスファウル | 29 | 0.4% | 0 | 0 |
7634 | 0.89147236 |
オフェンスリバウンドの直後、約50%がペイント内で再びシュートを放ちにいっています。ファウルの取得もペイント内のシュートに対してだと仮定するならば、実に約58%はペイント内でのシュートに行っています。その成功率も約60%と高めです(2262 / (2262 + 1537))
次に多いのはスリーポイントで、オフェンスリバウンド後のプレーの約18%はスリーを打ちにいったようです。ちなみに「オフェンスリバウンド直後のスリーは確率がいい」と述べられいるのを聞いたことがあるのですが、ここでは約34.3%という成功率になりました。
ちなみにペイント外の2点エリアの場合、そのシュート成功率は約34.1%とかなり低めです。
ターンオーバーとオフェンスファウルで7.5%にもなっているのは面白い、というかもったいないですね。オフェンスリバウンドの13~14本に1本くらいは無駄にしてしまったということになります。
オフェンスリバウンド1回で約0.89点の期待値。この値を高いと見るか、低いと見るかは、相手のトランジションオフェンスのスキルや自チームのトランジションディフェンスの習熟度にもよります。
トランジションは最も容易に点が取れるシチュエーションのひとつであることを考えると、0.89点はチャレンジするには少し物足りないかもしれません。
以下、関連したツイートです。
今シーズンB1の「自らとーる」ランキングです。つまり、自分の落としたシュートを自分でリバウンドを取った回数です。琉球ゴールデンキングスのジャック・クーリーが抜けています。FG%は53.4%ほどあるんですけどね。 pic.twitter.com/n23oHFWcoK
— 手洗い徹底の増田林太郎 (@rintaromasuda) 2020年2月29日