データとバスケ

バスケをデータから楽しむブログです。

2日連続のゲームは選手のパフォーマンスにどう影響しているのか

ご存知の通りBリーグでは土日(たまに金土もしくは日月)に渡って2日連続で同じチーム同士が対戦するスケジュールが基本です。私はバスケットボール選手ではないので実感はできませんが、これはなかなかに選手の負担が大きそうです。プレータイムが長ければ尚更です。

私はBリーグ以外のプロバスケットリーグをあまり知りませんが、今シーズンにオーストラリアのNBLを観ていた限りでは、2日間連続のゲームどころか中1日や中2日もそんなになかったように思います(年末などには中1日があったと思います。)

Bリーグがこのスケジュールになっている理由は色々あるでしょうし、私はそれに賛成も反対も述べる気はないのですが、もしBリーグに独特なものであれば分析しない手はないと思いました。またいつも通りデータを見てみたいと思います。

ここではB1、B2の過去3レギュラーシーズンすべてのゲーム(2018-19シーズンは38試合終了時点)から、2日連続で同じチーム同士が対戦したゲームだけ抽出し(ちなみに2,622ゲームありました)、それをゲーム1とゲーム2に分けて比べてみたいと思います。

得点

まずは得点を見てみましょう。ゲーム2ではシュートが入らなくてロースコアになったり、逆にディフェンスが雑になってハイスコアになってしまうような傾向があるでしょうか。シーズンごとに全体の傾向を見てみましょう。

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全体的にはあまり傾向に違いはないようです。チーム別だとどうでしょうか。2018-19シーズンのB1各チームのデータを見てみましょう(図が小さくてすみません。)

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基本的には無視できる程度の違いが多いですが、特色のあるチームもあります。例えばシーホース三河や琉球ゴールデンキングスはハイスコアを出したときはほぼゲーム1だったようです。

また京都ハンナリーズや横浜ビー・コルセアーズはゲーム2のほうが得点が安定する傾向が見られます。新潟アルビレックスBBはゲーム1のほうが安定していますね。色々と面白いです。

eFG%

同じ要領で全体のeFG%(スリーポイントに1.5倍のボーナスを与えたFG%)を見てみましょう。ゲーム2だとシュートの確率が悪くなったりしていますでしょうか。

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こちらも全体傾向では意味のある違いはないようです。チーム別だとどうでしょうか。再び2018-19シーズンのB1で見てみましょう。

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サンロッカーズ渋谷、滋賀レイクスターズ、京都ハンナリーズあたりはゲーム2で確率を上げてきています。修正による向上なのか、それともゲーム1ではエンジンがかからないのかは分かりませんが、面白いです。

琉球ゴールデンキングスはゲーム2での落差がかなりありますね。今まで同チームのゲームを観ていて気が付きませんでしたが、ゲーム2ではなかなか得点に苦労していると思われます。

ポゼッション(または試合のペース)

ゲーム2だとみんな疲れているかもしれません。そうするとゲームのペースが遅くなりがちかもしれません。ポゼッション数もゲーム1とゲーム2で比べてみましょう。

なおこのポゼッション数はオリバー式で求めている近似値で、基本的にはシュートの数とターンオーバーの数からオフェンスリバウンドの数を引いたものだと思ってください。

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おっとこれは!意味があるほど大きい差かどうかは議論の余地がありますが、少なくても3シーズンで同じ傾向にあります。ゲーム2の方がペースが遅いのでしょうか。チーム別ではどうでしょう。

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全体傾向がそうなので当たり前ですが、多くのチームでゲーム2ではポゼッション数が減少する傾向にあるようです。トランジションオフェンスが出なくなるのか、シュートへの積極性が低くなるのか、色々と可能性は考えらそうです。

シーホース三河はポゼッション数のゲーム2での減少も面白いのですが、ポゼッション数が他のチームに比べて安定しているのも面白いですね。ハーフコートオフェンスが中心だからでしょうか。

ファウル数

同じ要領でファウル数も見てみましょう。ゲーム2では足が動かず、結果として手を出してファウルが多くなってしまうかもしれません。

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こちらも全体的にゲーム2で増加傾向があるように見えます。滋賀レイクスターズや富山グラウジーズではかなりその傾向が顕著ですね。滋賀の場合は主力のラワルのファウルトラブルに苦しむケースが多いようですが、もしかしたらゲーム2でそれが起こりがちなのかもしれません。

まあもちろんファウルが多いから悪いと単純に言える話ではなく、秋田ノーザンハピネッツのようにむしろディフェンスのインテンシティが高いからファウル数が多いというケースもあります。

まとめ

いくらでも深掘りできそうなトピックなのですが、とりえあず長くなってきたのでここまでとしたいと思います。もっとディフェンス寄りのスタッツを見ても面白そうですし、選手の運動量などのいわゆるスタッツを超えるデータがあればさらに面白い結果が見られそうです。

B1のチームだけ図に入れてしまったので、B2のチーム別の図は後でTwitterにでも上げようと思います。

追記1

得失点の図をこちらに貼っておきます。

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追記2

B2版の図をこちらに貼っておきます。

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サンプルコード

この記事に出てくる図を書いたときのコードがこちらにアップロードされています。