データとバスケ

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宇都直輝の2035分をデータで振り返る

2017-18シーズンの宇都直輝のスタッツはすごいです。

59試合に出場しリーグでただひとり2000分を超えるプレー時間を記録(ちなみにプレー時間リーグ2位はチームメイトの大塚裕土)、試合平均得点は日本人最多の17.0点、そしてご存知の通りアシスト王を受賞、そしてターンオーバー数でもリーグ最多となりました。

2035分も出場したシーズンを闘ったあとで残留プレイオフ、そして最終的には熊本との入れ替え戦があり、その後は日本代表としての活動もあったわけですから、その精力的なバスケットへの取り組みには頭が下がります。

宇都のオフェンスが富山全体のオフェンスに占める割合

宇都が富山の攻撃の起点であることは疑いようがないと思いますが、それは数値にするとどれくらいでしょうか?以下の記事の中で各チームの得点効率というものを求めましたが、その前提として各チームのポゼッション数というものを求めました。これは簡単に言えばチームのオフェンス機会がどのくらいあったのかを表す数字でした。

記事にあるように富山には4529回のオフェンス機会があった訳ですが、この中で宇都で終わったオフェンスはどのくらいあったでしょうか?宇都のフィールドゴール数、フリースロー数(に0.44をかけたもの)、ターンオーバー数を合計してから4529で割ると約0.26です。これはつまり富山の攻撃の約26%が宇都のシュート、もしくはターンオーバーで終わっているということになります。

これにアシストの数も足すと約36%になりますので、それも考慮に入れると富山の攻撃の約36%は宇都のシュートかターンオーバー、もしくは宇都のアシストからのシュートで終わっているということになります。宇都がパスした先でシュートが外れたり、ターンオーバーが起きたりといった場合もあるので(これらはアシストに記録されない)、実際にはもう少し高い割合で宇都を起点にしているはずです。

上述のようにチームの1/4以上のオフェンスで起点になっている宇都ですから、その調子いかんでチーム全体のオフェンスが左右されることになりそうです。*1

宇都の疲労について考察する

ここまで長時間出場し、かつチームのオフェンスの起点になっている選手ですから疲労は相当なものだと思います。特に宇都の場合、失礼ながらあまり外からのシュートが得意ではなく、ダイナミックにドライブして点を取りに行くスタイルです。これは非常に体力を消耗する点の取り方ではないかと思います(なので宇都のプレーは華があり、見ていて気持ちがいいわけですが。)

シーズンが進むに連れて宇都の得点力は落ちていかなかったでしょうか、以下のグラフはx軸がシーズン60試合を、y軸が各試合の「出場1分あたりの得点数」を表しています。

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シーズン後半に進むに連れて宇都の得点力が落ちているということはなさそうです。しかし得点力のアップダウンになにやら周期性がありそうです。この「出場1分あたりの得点数」を、前日にも試合があったかどうか、つまり連戦だったかどうかで分けて見てみましょう(出場59試合中31試合が連戦。)

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かなり如実に差が付きました。Bリーグのスケジュール上、連戦の場合は同じチームを相手に戦っている場合がほとんどです。なので相手側の要因は最小限のはず。やはり連戦だとどうしても疲労が得点力に影響するのではないでしょうか。

同じ要領でアシスト数とターンオーバー数についても見てみると、アシストではさらに如実にパフォーマンスの差がありそうです。ターンオーバーは中央値は同じようなものですが、やはり連戦時の方が多くターンオーバーを出していたようです。

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ついでにフィールドゴール%について見てみると、やはり連戦のときの方が数字が落ちています。

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ちなみに出場時間を見ると、むしろ連戦時の方が宇都はコートに長く立っています。これは不十分だったかもしれないが次の日に備えて宇都を休ませていた結果かもしれませんし、単純に連戦時の方がゲームが厳しくなり、宇都が長くプレーせざるを得なかったのかもしれません。

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まとめ

大活躍した2017-18シーズンの宇都直輝のスタッツを振り返ってみました。正直シーズンMVPでもおかしくないほどの数字だと思います。

来シーズンのグラウジーズ千葉ジェッツふなばしから阿部友和が移籍するということなので、阿部を上手く使い宇都の力をうまく温存することがシーズンを勝ち切る為のひとつの大事なポイントとなりそうです。そこに注目していきたいと思います。

*1:ちなみにこの考え方はUSG%と呼ばれNBAで採用されており、この記事なんかが参考になると思います。