2017-18年の選手別スタッツを使用して、チームの采配がどうだったかを調べてみたいと思います。便宜上チームを以下の3つのグループにまとめて比較しています。
- 上位グループ(チャンピオンシップ2017-18に出場したチーム)
- 中位グループ
- 新潟、大阪、北海道、三遠、SR渋谷、滋賀
- 下位グループ (残留プレーオフ2017-18に出場したチーム)
- 横浜、富山、西宮、島根
各グループに登録されている選手の数は以下のようになっています。
グループ | 人数 |
---|---|
上位 | 109 |
中位 | 89 |
下位 | 63 |
それでは分析していきましょう。
出場試合数
外国人選手の起用に関するルールはありますが、バスケットは基本的には交代が自由にできます。つまりベンチの選手を全員を試合に出場させることも容易で、この点は選ばれた選手のみ試合に出場できる野球やサッカーと違います。
各グループで選手がどれくらいの試合に出場、つまり一瞬でもコートに立った試合がいくつあるのか、その分布を見てみましょう。
Y軸は確率であることに注意してください。つまりグループ内の人数の違いには影響されません。
より多くの選手が多くの試合に出るほど、分布の右側が盛り上がることになります。グループの違いを見てみると、上位グループのチームは中位、下位のチームより多くの選手が毎試合コートに立っている様子が分かります。つまり上位チームは選手層が厚いと言えると思います。逆から見ると、下位チームのベンチに入っている選手はあまり活躍の場が与えられなかったということになります。
出場時間(分)
続いて出場時間です。出場試合数と違い、こちらはみんながみんな長い時間出場できるわけではありませんので、分布の形は違ってきます。
まんべんなく選手を試合に使っているチームの場合、分布は真ん中が盛り上がるような形になるはずです。一方で少数の選手を集中的に使っている場合は分布の左側が盛り上がり、右側(出場時間が長い側)に行くにつれて下がっていく、というような形になるはずです。では見てみましょう。
上位グループと中位グループにはあまり出ませんでしたが、やはり下位グループのチームは分布がより右肩下がりになる傾向、つまり少数の選手が長い時間コートに立つ傾向が強かったようです。
スターティングメンバーとしての出場試合数
次はスターティングメンバーとしての出場試合数を見てみましょう。これも間1試合ごとに5人しか選べませんので、最初に見た出場試合数のような分布にはならないはずです。いつもスタメンが固定されているようなチームなら右側が盛り上がり、スタメンをちょこちょこ変えるようなチームであれば真ん中が盛り上がるような分布になるはずです。
上位のチームと下位のチームではスタメンは固定化している傾向があったようです。下位のチームについては上述の通りそもそも出場選手にも偏りがあったようですが、上位のチームに関しては選手層が厚いにも関わらず、スタメンは基本的には一緒にしていたのであろうということが窺えます。
中位のチームは真ん中が盛り上がっており、スタメンを臨機応変に変えていた様子が窺えます。
まとめ
上位のチームはやはり選手層が厚く、多くの選手を試合に出場させる傾向にありました。結果ファーストチームは休息をとることができるので、さらに有利に試合を運べます。一方で下位のチームは特定の選手が長い時間出場する傾向にあったようです。