データとバスケ

バスケをデータから楽しむブログです。

エコシステムを拡大する為に、Bリーグがデータ絡みで投資するべきポイントを勝手に整理してみる

完全に個人的な意見ですが、スポーツにおいてリーグや協会がデータに投資する目的は「エコシステムの拡大」です。それに尽きます。日本語で言うなら「たくさんの人を巻き込もう」という事です。しかも受け手としてではなく伝え手、発信者として巻き込む。これです。例えばなんですけれど、もしNBAがデータに投資していなかったとしたら、データを駆使するNBAアナリストである佐々木クリスは生まれていなかったかもしれないじゃないですか?*1そしてもしそうだとすると、佐々木クリスさんの解説やYouTubeでバスケの更なる奥深さに気付いた人達も出なかったかもしれないじゃないですか?データに投資して期待するリターンというのは、そういう波及効果だと思います。

今回はBリーグがそのエコシステムを拡大する為に、主にスタッツなどのデータ絡みで投資するべきポイントを勝手に整理してみました。カテゴリをデータの受け手の役割で分類していますが、当然オーバーラップする部分も多いと思います。*2

メディア・記者さん向け

メディアや記者さんはストーリーの伝え手としてBリーグエコシステムに貢献してくれる存在です。ストーリーをサポートする情報として選手やチームの過去の記録は重要ですし、ときには過去の記録からストーリーが起草されることもあると思います。

ポイント

「過去の成績を調べるのが面倒臭すぎるから(もしくは正確か分からないから)このバスケのコンテンツやめた!」と思われない為の、早くて探しやすくて、そして公式なデータ提供。

提供したいデータの例

  • 選手の過去のスタッツ・出場歴・受賞歴
  • 選手の通算記録
  • 選手のチーム所属歴
  • リーグ、チームの過去成績・スタッツ・出場歴・受賞歴

データ取得の技術的要件

WEBブラウズさえ出来れば。

実況者・解説者さん向け

実況や解説が映像越しのスポーツ観戦の善し悪しに多大な影響を与える事は述べるまでもありません。実況者さんや解説者さんはより良い観戦環境の提供を通してBリーグエコシステムに貢献してくれますし、私は素晴らしい実況・解説というのは観戦者の"観戦眼"すら養うと思っているので、一時的な影響だけではなく、永続的な影響すら与え得るものだと思います。

ポイント

Excelでデータをこねくり回したり、自ら過去の試合をまとめ上げたりしなくても、実況・解説を色付ける数値情報が準備できること。現場で起こること(例えば選手の欠場とか)にまつわる数値情報を素早く確認できること。

提供したいデータの例

  • チーム、選手の直近N試合の平均スタッツ
  • 対戦カード直近N試合の両チームの対戦成績、平均スタッツ
  • 各選手がオンコート時、オフコート時のレーティング (欠場・復活した選手の影響が説明できるイメージ)

データ取得の技術的要件

WEBブラウズさえ出来れば。

Bリーグクラブ向け

ちょっと番外編ではありますが、リーグ自体がデータ関連のエンジニアリングに投資しておくと、スタッツの分析等に積極的に投資できるクラブとそうでないクラブとの間の差が埋めやすくなるのではと思います。イメージとしては、ExcelでCSVをこねくり回せるスタッフがいればなんとか勝負になる、くらいの所までサポート出来るといいです。クラブの競争力が増すことは、もちろんBリーグエコシステムにとって重要です。

ポイント

エンジニアリングに投資できないチームでも、最低限のデータの取得はサポートしてあげたいです。もちろんそれを有効活用する為に投資は必要ですが、取得のコストが下がるのは大きいと個人的には想像しています。「プログラミングを書けなくても何とかなるように」と言い換えてもいいかもしれません。

提供したいデータの例

  • 指定した試合分すべてのスタッツやPlay by Play(試合ごと等ではなく、一括でまとめて取得できるイメージ)

データ取得の技術的要件

取得はWEBブラウズさえ出来れば。その後はExcelでCSVをこねくり回せれば。

野良広報・野良アナリスト向け

昨今ではUser Generated Content、つまり消費者側である人間が作り出すコンテンツなんて当たり前の存在です。まったくバカに出来ないどころか、Bリーグの小規模クラブくらいであればブースターの方が書かれている個人ブログがそのチームの広報活動として大きな存在感を放っている例はそんなに珍しくないと思います。また私もその一人という事になると思いますが、最近ではプログラミングなどを駆使し、公式サイトでは見られないアドバンススタッツを計算してランキングを発表したり、独自の観点から指標を作り出したりする方もいらっしゃいます。

こうした方々の熱意を最大限Bリーグエコシステムの拡大に繋げていく為、彼らの活動をサポートする仕掛けは欲しい所です。

ポイント

多少複雑だったり面倒でもいいので、『調べようと思えばどこまでも細かく調べていけるサイト(NBAのスタッツのページのイメージ)』と、それをプログラミングで取得したい人用のAPIを用意するイメージです。

提供したいデータの例

  • その他のカテゴリで述べたもの全て
  • "生"のデータ、もしくはそれに近いデータ(整理された形で提供できれば最高だけど、熱意がある人なら何とかするので最悪そうでなくてもよい)
  • 簡潔に言うなら「あるもの全部出せ」

まとめ

誰得なのか一切分からない記事になってしまいました。

*1:この世界線でも、おそらく別の形で最高のNBAアナリストではあったと思いますが。

*2:オーバーラップする人が多くなると面白いですよね。めっちゃデータ分析に長けた記者さんとか出てきたりとか。