2018-19シーズンも折り返し地点が迫ってきており、そろそろ昇降格が頭にチラついてきている方もいると思います。先日はJリーグの方でも昇降格が大きな話題になっていましたね。
この記事ではBリーグでの昇降格が観客動員数に与える影響を見てみたいと思います。B1とB2の間の昇降格のみ対象にしています。
昇格をすればチームの認知度やブランドイメージがアップし、それをきっかけにおらが町のチームを見に行こうという人も出てくると思います。対戦相手が人気チームになり、そのカードに魅力を感じて観戦される方もいるでしょう。
逆に降格をすれば上記と逆の事が起こりえます。既存のファンの方がいきなり離れていくとは思えませんが、今までなら5回観戦していたのが3回になる、みたいな影響はあると思います。それが積もると、やはり動員数にはダメージとなります。
そんな背景で以下のようなツイートをしたのですが、この記事ではこれをさらに細かく見てみようと思います。
昇降格は観客動員数にどのくらいを影響を及ぼすか?図はB1<->B2で昇降格のあったチームの動員数の推移。
— 増田林太郎 / Rintaro Masuda (@rintaromasuda) 2018年12月17日
西宮や島根のようになるイメージが一般的だと推測しますが、秋田のように降格でそこまで動員を落とさないこともできるし、今季の仙台のように昇格がなくても動員を伸ばすこともできる。 pic.twitter.com/RbZMwyvX8s
下の図はすべてx軸がホームゲームでの観客動員数、y軸はその動員数があったゲーム数の密度です。要は山が高ければ高いほど、それくらいの動員数のゲームが多かった、ということになります。
西宮ストークス
過去3シーズンをB2→B1→B2と推移している西宮ストークスですが、観客動員数にはその推移が如実に表れているように思います。2017-18では前シーズンと比較して大きな観客動員数増を記録したようですが、今季にB2となり、やはり動員数を大きく落としています。
2016-17と2018-19を比べると動員数が伸びているようであることはグッドニュースだと思います。西宮は今季序盤の戦績があまり振るわかったようですが、私が個人的に好きな選手も揃っていますので、戦績も動員も今後に期待したいです。
島根スサノオマジック
昇降格に関しては西宮と同じ道を辿っている島根ですが、観客動員数の推移についても傾向は似ているようです。ただ西宮と比べてさらに2016-17から2018-19への観客動員数増が顕著です。属しているリーグに関係なく、そのチームの持つピュアな集客力は伸びているのではないでしょうか。
島根は積極的にクラウドファンディングなども使用しソーシャルへの露出が目立っています(ちなみに私もクラウドファンディングに参加しました。)こういった施策の効果が出ている、という見方もできると思います。
仙台89ers
仙台はB1→B2→B2と推移していますが、降格によるインパクトよりも昇格のなかった今季に大きく観客動員数を伸ばしていることに注目です。観客動員数を伸ばす最良の手段は昇格、とは単純に言い切れない好例だと思います。
今季のB2は一部のチームが仙台のように昇格もなく動員数を伸ばしており、それ以外のチームは動員数で苦戦を強いられるという展開になっているようです。これについては面白いのでまた別記事で論じたいと思います。
秋田ノーザンハピネッツ
秋田も非常に面白いです。と言うかすごいです。この3シーズンでB1→B2→B1と降格も昇格も経験した秋田ですが、観客動員数はあまり動いていません。つまり昇格にも降格にもそこまで大きな影響を受けずに安定した動員を見せています。
ここまで見てきた3チームのように「降格すれば動員数減」というのが一般的なイメージだと思われますが、そうとも言い切れないという例です。素晴らしいの一言ではないでしょうか。
「クレイジーピンク」と呼ばれる有名な秋田のブースターさんですが、これは彼らのエンゲージメントの高さがデータに表れている結果と言っていいと思います。これはチームにとって本当に大きな財産でしょう。
今季の秋田はバスケットボール自体もとても面白いですし、この調子でさらなるファンのエンゲージメントを獲得するのではないでしょうか。新アリーナ構想にも期待です。
ライジングゼファー福岡
(※他の図と色が合っていなくてすみません)
B3→B2→B1とまさにライジングの名の如く駆け上がってきた福岡です。今月には新アリーナに移るなどの話題も提供してくれています。
B3のデータが残念ながらないので2016-17とは比べられないのですが、実は今季の動員数は昨季と比べてそこまで増えている訳ではないようです。
開幕のブーストがあったものの(人気の栃木ブレックスをB1新規参入の福岡にぶつけたのはBリーグの親心かもしれないですね)、その後の推移は大人しいですね。
新アリーナの利用料が以前に比べて数倍との情報もありますので、是非ここは動員増の為の施策を打ちたいところです。社外取締役の堀江さんの力が試される局面でしょうか。
まとめ
昇格、降格を経験したチームの観客動員数がどのように推移したかを見てみました。単純に昇格=観客増、降格=観客減とは言えない部分も見えて面白かったです。
むしろ昇格や降格があると、そのチームの本来持っている力が試される、そのように感じました。