データとバスケ

バスケをデータから楽しむブログです。

観客動員数の推移を昨シーズンと比べてみる

今回は観客動員数のデータを使います。普段はスタッツの分析をしていますが、こういうビジネス系のデータも大好きです。と言ってもあまり表には出てこない類のデータなのであまり詳細な分析はできませんが、Bリーグ観戦のリピーターの分析とか、コホート分析とか、ユニークユーザー数の分析とかそういうマーケティング分野のデータ分析もしてみたいものです。

さて確かBリーグは観客動員数の昨シーズン比で10%増を目標にしているはずです。2018-19シーズンも4分の1が終了しましたが、観客動員数の様子はどうでしょうか。平日開催を増やした影響はどうなっていますでしょうか。今回は昨シーズンと今シーズンの両方でB1に残っている16チームを対象に、観客動員数の推移を両シーズンで比較してみたいと思います。

平均観客動員数

ではまずは各開催日別に、その日にあったゲームの平均観客動員数を見てみましょう。図の中にある点はゲームがあった日を表していますが、水曜日、土曜日、日曜日以外の曜日の場合に、その日は1ゲームしかない、という場合もあります。水曜日開催は何かと話題になるので、特別にラベルを付けています。

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開幕は観客動員数トップ、千葉ジェッツのホームアリーナでの開催であったこともあり、昨シーズンの開幕に大きな差を付けることに成功したようです。水曜日開催も昨シーズン同時期の水曜日開催と比べて劣っておらず、まずまずの良いスタートを切ったように見えます。

ただ懸念事項として、このシーズン最初の4分の1で既に千葉ジェッツのホームゲームが11ゲーム、つまり3分の1以上も終わってしまっています。つまり動員数トップの千葉ジェッツパワーはもう3分の2しか残ってないことになり、これは後半の観客動員数の伸びを引っ張る要因となりそうです。また後述しますが、連続のホームゲームが祟ってか、千葉ジェッツとしてはあまり良いスタートが切れていなかったようです。

図にあるようにシーズン後半に向けて観客動員数は伸びる傾向にあります。リーグとしては今シーズンの終盤に向けた伸びを、千葉ジェッツの力に頼らずに如何にブーストできるの。それが観客動員数10%増に向けての課題になりそうです。

では次に16チームをそれぞれ見ていきましょう。順番は適当です。

千葉ジェッツ

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4千人を普通に超えてくるさすがの集客力ですが、上述のとおり昨シーズンと比べると好調なスタートとは言えないようです。昨シーズンはむしろ後半にホームゲームが多かったようですが、今シーズンは前半に集中しました。この結果がどう全体の動員数に響いてくるのか。一番影響の大きいチームなだけに気になるところです。

栃木ブレックス

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開幕は少し昨シーズンよりも少なかったようですが、概ね昨シーズンと同じような推移です。今シーズンの水曜日開催の人数が4千人に近いことから、昨シーズンを少し上回っていると言ってもよいかもしれません。

レバンガ北海道

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レバンガ北海道も開幕は昨シーズンに比べて奮わなかったようですが、この序盤でその後に6千人を動員してみせるあたりはさすがの集客力です。

昨シーズンはちょこちょこと平日開催があったようです。週末であれば4千人オーバーを期待できるチームですので、後半戦に向けてさらなる貢献が期待されます。

琉球ゴールデンキングス

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非常にブレのない観客動員数を誇るゴールデンキングスです。今シーズンの数字は昨シーズンと同等の様に見えますが、平日開催が多かったことを鑑みると、実質今シーズンの方が上だと言えると思います。早く新アリーナが竣工して、もっともっと動員できる環境が揃うのが楽しみですね。

川崎ブレイブサンダース

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経営の体制という意味では一番変化のあった川崎ブレイブサンダースですが、アリーナ内のオーロラビジョン、スチャダラパーによる音楽プロデュース、新たなアリーナグルメなど、今シーズンは観戦環境に様々な投資を仕掛けてきました。

早くも結果が出ているのでしょうか、昨シーズンに比べて客足が非常に良いです。このまま川崎も「集客の強豪チーム」に加わってくれれば、リーグ全体にとっても素晴らしい影響がありそうです。

滋賀レイクスターズ

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実はこの分析をしてみようと思ったのは、先日Bリーグの特別研修にて「(オフシーズンのごたごたが関連してか)滋賀、京都、新潟、大阪の観客動員数が芳しくない」という話を大川チェアマンがされていたと記事で読んだからです。

実際に見てみると、例えば滋賀に関しては昨シーズンを下回っているように見えますが、平日開催が続いていることを考慮するとそこまで集客が落ちたようには思えません。どうでしょうか。

京都ハンナリーズ

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京都も開幕を両シーズンで比べれば今シーズンが悪く思えますが、開幕を金曜開催のひとつと見ると昨シーズンと同様程度です。その後すぐに4千人にせまる動員もあり、これもまだ客足が落ちたと断定するには時期早々でしょう。

開幕については他のチームも同様なのですが、おそらく集客しやすいイベントのはずなので、それを最大限に活かすためにも週末開催が望ましいかもしれません。

新潟アルビレックスBB

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こちらも同様で、開幕の入場者数減は木曜日開催が影響していると思われます。TwitterのTLで教えて頂いたのですが、新潟などになるとホーム開催にも関わらず普通に数十km単位で自宅からアリーナまで運転してこなければならない方も多くいらっしゃるようで、そうした方々にはやはり平日開催は不便なことも多いかもしれません。

エヴェッサ大阪

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大阪も開幕は動員数が減っているのですが、他のチームに比べて落差が激しく3千人くらい減っているようです。確かそれに関する話題もTwitterで見た記憶がありますが、これはさすがに何かしらの対策が要りそうです。ただそこからは昨シーズンを上回る推移を見せています。

アルバルク東京

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昨シーズンを上回ってはいるものの、王者であり人気の選手を多く抱える割には集客が寂しいという印象です。今のホームアリーナはあまり大きくないと聞いていますが、これで満員という事はないですよね。新アリーナの話もありますし、王者には集客でも安定した力を期待したいです。

シーホース三河

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ほぼ昨シーズンと同様の動きを見せています。人気選手が数人チームを離れたものの、基本的にはアルバルク東京と同じく強豪チームにふさわしい集客を期待したいです。新しく入った岡田の集客への好影響も期待。

富山グラウジーズ

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すごく面白くて、推移が昨シーズンとかなり似ています。富山は今年は強いので、それが集客に繋がるといいですね。昨シーズンは終盤に向けてどんどん集客を伸ばしていますが、チームは逆に残留プレイオフに向けてどんどんピンチになっていったはずです。今シーズンのチームは違う展開になりそうなので、それがどう集客に影響してきますでしょうか。

名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

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名古屋は今シーズンは堤幸彦さんに演出をお願いするなどしてエンターテイメント性を高めているとのことですが、開幕は土日開催にも関わらず昨シーズンと比べて大幅には動員が減ってしまったようです。チームも強いですし、昨シーズンのように中盤で5千人、といった集客を見せて欲しいところ。

サンロッカーズ渋谷

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サンロッカーズ渋谷も序盤の水曜日開催を昨シーズンと比べると千人レベルで動員を減らしているようです。同チームはホームアリーナの立地も良く、平日でもお客さんを呼べそうではありますが、逆に言えば競合するエンターテイメントがたくさんあるということにもなります。都市部ならではの戦略で集客増を目指して欲しいです。

三遠ネオフェニックス

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三遠も出だしの客足は鈍いように見えます。昨シーズンの序盤にあった水曜日開催に、今シーズンの週末開催が負けていますね。決して派手さのあるチームではありませんが、寺園やチルドレスなど話題になっている選手もいますので、そこを更に活用して集客につなげることができるでしょうか。

横浜ビー・コルセアーズ

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開幕を除き水曜日開催の集客はいまいちのように見えますが、まだ全体としては昨シーズンと同様程度に収まっているでしょうか。昨シーズンは終盤に向かって客足が悪くなっていますね。同じく残留プレイオフに進んだ富山とは対照的です。ビーコルは今季も苦戦が続いていますが、それが集客にも響くと昨シーズン同様に終盤が落ち込むかもしれません。

まとめ

昨シーズンも今シーズンもB1に残っている16チームの集客のデータを見てみました。水曜日開催の増加など、今シーズンの施策がどのように今後の集客に影響してくるのか、動員数10%増は達成できるのか、中盤戦も動員数には要注目です。まあ自分ももっと観戦に行けよって話もあるんですけどね。