データとバスケ

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「アルバルク東京のディフェンスはすごい」をデータで検証する

昨シーズンのチャンピオンに輝いたアルバルク東京ですが、ルカHCの練習での厳しさとチームのディフェンスへのフォーカスが話題になりました。よって同チームはすっかりディフェンスが強いチームというイメージが出来上がりましたが、それがデータにも表れているかどうかをこの記事ではみたいと思います。

以下で使用しているデータはすべて2017-18シーズン60試合のデータで、Bリーグ公式から取得させて頂いたデータを使用しています。

失点

バスケットの試合にはペースの速い遅いがありますので、単純に失点が少ないからといってディフェンスが強いとは言えません。が、ひとつの重要な指標であることには間違いないです。まずは各チームの失点がどの程度だったのかを見てみましょう。

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アルバルク東京、失点低いですね。中央値(箱の中の線の場所)が70点を下回っているのはアルバルク東京琉球ゴールデンキングスのみです。琉球と言えば琉球は箱の上の部分が75点当たりにありますので、これは「琉球は60試合のうち3/4、つまり45試合を75点以下に抑えた」ということを表しています。また、同チームは昨シーズン一度も90点以上取られた試合はないようです。

ディフェンス効率

上述のようにペースの問題がありますので、バスケットボールではポゼッションという概念を利用し「このチームは100回攻撃チャンスがあったら何点取れそうなのか」というような値を出してそのチームの攻撃力を測ります(これをオフェンス効率と呼びたいと思います。)このポゼッションの数え方は色々な流派があり、かつBリーグでは公式の数字を公開していないので、私は以前にこの記事で説明した方法で近似値を出しています。

ディフェンスが良いチームであれば、相手チームのオフェンス効率を低く落とすことができるはずです。これを見てみましょう。

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失点のときよりもA東京と琉球の差が詰まった気がしますが、それでもやはり琉球が抜けていますね。あと三遠ネオフェニックスが出てきました。三遠は以前の記事でリバウンドでの存在感も見せていましたが、ここでもディフェンスが良いことを示しています。

相手のフィールドゴール%

今度は相手チームのフィールドゴール%(2点も3点も含みます)をどのくらいに抑えたのかを見てみましょう。良いディフェンスを保っていれば、相手にタフショットを打つに至らせることができ、結果としてFG%は落ちるはずです。

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これはアルバルク東京、そんなに優れているとは言えないようです。75%の部分(箱の上の辺)を見ると上位ではあるようですが、他のチームから抜け出すには至っていないようです。そしてここでもやはり抜け出しているのは琉球。中央値が約40%ということで、琉球戦では各チームがシュートに苦戦している様子が浮かび上がってくるようです。

相手のペイントエリア内での得点(ペイントエリア内での失点)

上述の失点のサブ指標ですが、失点をペイントエリア内でのものに絞って見てみましょう。ペイントエリアはゴールに近いのでFG%が高いシュートが打てます。よってディフェンスが良いチームであれば、ここであまり点を取られないようにしていると予想できます。

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相手のスリーポイントによる得点(スリーポイントによる失点)

中を見たので外も見てみましょう。これも失点のサブ指標ですが、スリーポイントシュートによってどれだけ点を取られたのか、です。

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これはアルバルク東京いいですね。箱の上の辺が20点当たりのところにありますから、同チームは60試合中45試合(75%)で相手のスリーポイント成功を7本以下に抑えていることになります。ここでも三遠がアルバルクと同様に頑張っていますね。一方で新潟は相手にスリーポイントを決められがちな傾向にあるようです。これらも興味深いです。

相手のファストブレイクによる得点(ファストブレイクによる失点)

同じ要領でファストブレイクによる失点を見てみましょう。この「ファストブレイク」がどのような定義なのかは実は知らないのですが、公式にあるデータですのである程度の統一基準で記録されていると信じて使いたいと思います。

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アルバルク東京、相手のファストブレイクをきちっと抑えているようですね。また三遠ネオフェニックスもここで目立っています。これは以前の記事でも触れましたが、同チームがりオフェンスリバウンドを積極的に取りに行かないという戦略によるものではないかと推測されます。

まとめ

アルバルク東京のディフェンスは確かに良いようですが、このデータでは琉球ゴールデンキングスが総合してより良いディフェンスをしていたことが予測されます。また三遠ネオフェニックスも悪くありませんでした。